薄毛治療のクリニックのCMで「発毛サイクル」という言葉をよく耳にします。 そもそも「発毛サイクル」ってなんのことですか?詳しく教えてください。(20代男性)
発毛サイクル(ヘアサイクルともいう)は、髪の毛が成長し、抜け落ちるまでの周期のことを指します。
このサイクルは3つの段階に分かれおり、それぞれの段階を簡単に説明すると、次のようになります。(イラストでは青い矢印のサイクル)
1. 成長期
毛根の毛母細胞が活発に分裂して、髪が成長する期間。髪が太く、長くなる時期で男性の場合約3~5年ほど続くとされています。全体の髪の毛の約80~90%はこの段階にあります。
2. 退行期
成長が徐々に止まり、毛根が縮小する期間。毛母細胞の分裂が止まり、新しい髪の毛の成長が止まります。期間はおよそ2週間から1か月。
3. 休止期
髪が成長を完全に止め、抜け落ちる準備が整う期間です。この時期に毛根が新しい毛を押し出すため、古い毛が自然に抜けおちます。期間はおよそ3~4か月。
抜け毛が起きるのは、主に休止期に入っている髪の毛が自然に抜け落ちるためです。
休止期に入った毛根は、毛母細胞が活動を停止し、髪が成長を止めます。
この間、新しい髪が毛穴の奥で準備され、古い髪を押し出す形で抜け落ちます。これが自然な抜け毛のメカニズムです。
このような健康なヘアサイクルでは、成長期の髪が多いため、髪全体のバランスは保たれていますが、何らかの理由(ストレス、栄養不足、ホルモンバランスの乱れなど)で成長期が短くなり、休止期や退行期が長くなると、抜け毛の量が増えることになります。
そして男性型脱毛症(AGA)を発症すると、この2~6年のサイクルがだんだん短くなり、成長期の期間が短くなっていきます。(イラストのオレンジの矢印のサイクル)
成長期が短くなってくると、だんだんと成長途中の細くて短い毛の割合が増え始めて、髪の毛のハリやコシ、ボリュームがなくなってきたと感じ始めます。
さらに進むと、抜け毛が増え、毛の生えていない毛穴の割合が増え、髪の毛の本数が減り、地肌が見え始めてきます。これがAGAで薄毛・抜け毛が起きる仕組みです。
ご自身のヘアサイクルが正常であるか否か、自分では分からないという場合でも、当院では専門のスコープで診察させていただくことで症状が分かることもあります。気になる方はお気軽にご相談ください。
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