「毛深い人、体毛が濃い人は将来禿げやすい。」という話を耳にしたことはありませんか?
身体や顔には豊富に毛があるのに、頭部だけは毛が薄いという、なんともアンバランスな現象ですよね。
毛深い方にとっては、とても不安に思えるこの説ですが、果たして本当なのでしょうか。
実は、体毛の濃さは多少なりとも、薄毛になるリスクと関係があります
今回は、体毛の濃さと薄毛の関係について解説します。
毛深い人・体毛が濃い人とは
「毛深い・体毛が濃い」とはいったいどの程度のことを指すのでしょうか。それには明確な基準はなく、個人の主観によっても左右されますが、一般的には次のような条件があげられます。
・朝にヒゲを剃っても夕方には伸びている
・ヒゲの密度が高い
・ヒゲを剃っても青く残る
・体毛が太くしっかりしている
・胸毛がしっかりと生えている
毛深さとテストステロンの関係
実はこのような毛深さは、遺伝子に組み込まれているもので、毛穴から毛が生える本数・毛の太さ・密度・長さなどは遺伝によって決まっています。
そしてもう一つ毛深さに関係するのが、男性ホルモンの一種である「テストステロン」です。
「テストステロン」は男性らしい身体を形成する作用を持つホルモン物質で、体毛やヒゲが生えるのも「テストステロン」が作用しています。この「テストステロン」の分泌量も個人差があり、分泌量が多い人ほど体毛が濃い傾向にあります。
ジヒドロテストステロンの働き
男性らしい身体づくりや体毛の濃さに影響する「テストステロン」。実は、薄毛の原因物質である「ジヒドロテストステロン」を作り出す原料でもあります。
男性ホルモン「テストステロン」は、毛乳頭に存在する代謝酵素「5αリダクターゼ(Ⅱ型)」と結びつくと「ジヒドロテストステロン」を生成します。
この「ジヒドロテストステロン」は、「アンドロゲン受容体」と結合しやすい性質があり、この二つが結合することで毛髪の成長を抑制する作用が働いてしまいます。
結果、ヘアサイクル(毛周期)が乱れ、毛髪が成長しきらない状態で抜け毛が起こり、薄毛が進行することに…
しかも、「ジヒドロテストステロン」は毛髪の成長を抑制する作用がある一方で、頭皮以外の体毛を増やす作用も持っています。
つまり、生成された「ジヒドロテストステロン」には毛髪の成長を抑制し薄毛を促進するだけでなく、全身の体毛を増加させる働きがあるのです。
※アンドロゲン受容体:男性ホルモンと結合し、遺伝子の発言調節を行う核タンパク質の総称
毛深い人がハゲやすいと言われる理由
「テストステロン」と同様に、5α「リダクターゼ(Ⅱ型)」の分泌量も個人差があります。両者の分泌量が多い人ほど「ジヒドロテストステロン」が大量に生成される確率が高くなります。
「ジヒドロテストステロン」の生成量が多いと、体毛はより増加して毛深くなりますが、一方では頭皮での薄毛が進行しやすくなります。
このメカニズムが「毛深い人、体毛が濃い人は禿げやすい」といわれる理由です。
ただし、「毛深い人=必ず禿げる」というのは間違った見解です。薄毛の原因は多岐にわたり、様々な要因が複雑に絡みあっています。
頭皮や毛髪のことで、不安なことがある場合は、安易に自己判断せずに専門の医療機関へ早めに相談することをおすすめします。
ここでは皆様のお役に立てるような豆知識をお話していきたいと思います。
薄毛や抜け毛でお悩みの方、ぜひ専門医のいる当院へご相談ください。
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記事監修:岡山中央クリニック