一般的に、女性よりも男性のほうが体臭がきつくなりやすいといわれています。それは、男性ホルモンの分泌と大きな関わりがあり、男性ホルモンの分泌量が多いと皮脂の分泌量も増え、これが酸化すると、独特な嫌な臭いを放つことがあるからです。
さらに、体質的にアポクリン腺の数が多い方の場合、単なる体臭に留まらず、わきが特有のきつい臭いが現れることもあります。
また、わきがは夏場に悪化しそうなイメージがありますが、実は、本当に悪化するのは秋から冬にかけてなのです。
冬のほうが臭う、その理由とは?
イメージとしては、汗をたくさんかく夏のほうがわきがなどの臭いがきついように思いますよね。しかし、一概にそうとはいえません。
では、冬のほうがわきがの臭いがなぜきつくなりがちなのでしょうか?それはズバリ、アポクリン腺やエクリン腺から分泌された汗やその他の分泌物が、衣類の繊維に入り込み、そのままわきがの原因菌(コリネバクテリウムや黄色ブドウ球菌など)が繁殖するからです。
そして、アポクリン腺の数が多い方ほど、わきがの臭いがきつくなる傾向にあります。
これは、エクリン腺から分泌される成分の90%が水分であるのに対し、アポクリン腺から分泌されてくるのは水分だけではなく、タンパク質、脂質、糖質、アンモニアなどの成分が混じっているからです。これらの成分がわきがの原因菌によって分解されると、わきが特有の嫌な臭いの発生源となります。
つまり、アポクリン腺の数が多い方ほど、わきがの原因菌の増殖率が高く、これらがまるまる衣類の繊維に入り込んでしまうと、臭いや衣類の黄ばみを引き起こすことになるということですね。
自分の臭いがわからないのはなぜ?
他人から臭いを指摘されたけど、自分ではまったく臭わない。あなたが現在このような状態になっているのであれば、それは、重症度が高いわきがになっている可能性があります。
わきがは一夜にしてなるものではなく、アポクリン腺の発達が目覚ましい思春期あたりから、はっきりとした臭いが出てくるものです。そして、その臭いをかぎ続けているうちに、ご自身の臭いを感知できなくなっていると考えられます。
この状態を「嗅覚疲労」と呼び、この状態になると、ご自身では気がつかなくても周囲の方にはかなり迷惑をかけてしまうことが考えられますので、早急に改善策を講じる必要があるでしょう。
わきがや多汗症は改善できます!
わきがや多汗症は、美容外科クリニックで治療を受けることにより、改善することができます。
ボトックス注射
ボツリヌストキシンを主成分とした薬液を汗腺に注入して、汗腺の働きを止める治療法です。ボトックス注射は、シワ伸ばしなどの美容治療にも用いられ、筋肉や汗腺の働きを止めることによって、シワ伸ばし効果やわきが改善効果を得ることができます。
ボトックス注射は、治療後数日間で効果が現れてきますので、とりあえず臭いを改善したいというときに、大変役立つ治療法といえるでしょう。
ビューホット
高周波を汗腺から流し、汗腺の組織を破壊する方法です。今までは、剪除法(せんじょほう)という治療がワキガの一般的な治療法でしたが、この方法は皮膚を切開するため、手術痕が残るというデメリットがありました。
一方、ビューホットであれば皮膚を切開することなく行われますので、手術痕が残る心配はありません。また、ボトックス注射では一時的なわきが改善効果しか得ることができませんが、ビューホットであれば、半永久的な効果を期待することができます。
わきがを根本的に治療したいという場合には、美容外科クリニックに相談してみて、ビューホットによる治療を検討してみるといいでしょう。
おわりに
衣類に汗腺からの分泌物が浸み込んで臭う、これはもしかすると、あなたにとっては盲点だったかもしれません。冬物衣類は、肌着を除いて毎日お洗濯することがない場合もあり、これもまた、わきがの原因菌の増殖につながります。
冬でも臭う、あるいは、冬のほうが臭うと感じた方は、衣類の繊維の中でわきがの原因菌が繁殖している可能性がありますので、なるべく衣類を清潔な状態に保つことを心がけましょう。
その上で、きちんとわきがや多汗症を改善するのであれば、美容外科クリニックで治療を受けてみることを検討してみてください。
記事監修:岡山中央クリニック