自分でワキガに気づくことができれば、すぐになんらかの方法で対処することができます。
ところが、長年ワキガの状態が続くと、自分では臭いに気がつくことができません。そのため、症状がどんどん悪化してしまうでしょう。
自分で臭いに気がつかない状態を嗅覚疲労と呼び、これは長年のワキガの臭いに、嗅覚が麻痺したことによって起こります。したがって、他人に指摘されたところで、なにが臭うのかもわからない状態になってしまいがちです。
こうなってしまうと、ますます処置が遅れる可能性が広がります。もしワキガを自覚したのであれば、適切な方法で早めに治療を行いましょう。
ワキガの治療方法
ワキガの治療法は、皮膚を切開して行われる方法と、皮膚を切開することなく行われる方法に分類されています。
切るワキガ治療
剪除法(せんじょほう)と呼ばれる治療法です。脇の下の皮膚を数センチ切開し、ワキガの原因となる2種類の汗腺(アポクリン腺とエクリン腺)、皮脂線を取り除きます。
この治療法は、医師が目視で確認しながら汗腺と皮脂線を取り除いていきます。そのため、確実性が高い治療法であると考えることができるでしょう。
切らないワキガ治療
最もお手軽な方法には、ボトックス注射を利用するのも手でしょう。この治療法は、薬液を注射器で皮下に注入するだけというお手軽さで、注射後3日程度で効果が現れてきます。
しかし、効果の持続期間は約3~6カ月間です。つまり、根本的なワキガの改善治療ではなく、一時的な応急処置でしかありません。
そしてもうひとつ、ビューホットというきらない治療法があります。この治療法は皮膚を切開せず、皮下に高周波を送ることによってエクリン線とアポクリン線を熱凝固させる方法です。
早い方では翌日に効果を実感することができます。
ワキガ治療の注意点について
剪除法は、確実に汗腺と皮脂線を取り除く方法ですが、傷跡が残ります。ボトックス注射は、比較的気軽に受けられる治療法ではあるものの効果の持続期間が短いです。
ビューホットであれば傷跡が残る心配がなく、再発する確率が低いといわれてはいますが、再発する可能性はゼロではありません。ワキガ治療を受ける際には、まず、この部分しっかりと押さえておきましょう。
また、ボトックス注射にはダウンタイムがありませんが、剪除法とビューホットではダウンタイムがあります。ワキガ治療を受ける際には、これらをしっかりと頭に入れておくことが大切です。
生活習慣にも気をつけて!
睡眠不足やストレスが多い生活を送っていると、自律神経のバランスが崩れて体臭がきつくなることがあります。これは、交感神経の働きが優勢になって体臭が発生しやすくなるからです。
また、内臓機能の低下によって体臭がきつくなることもありますので、ワキガ治療をお考えの場合には、これらの生活習慣にも目を向けて、改善すべきところは改善する努力を行ってみましょう。
特にベタベタした汗をかきやすいという方は、交感神経の働きによって皮脂分泌が多くなっていることが考えられます。そして、この状態を放置しているとやがて汗腺が詰まり、ますます体臭がきつくなりがちです。
ワキガが気になる方は、ご自身の汗の状態もきちんとチェックして、ベタベタした汗をかくことが多いようであれば、運動で汗をかき、汗腺トレーニングを行ってみることをおすすめします。
おわりに
悪化したワキガは周囲へ迷惑をかけてしまうことがままあります。もし自分のワキガに気づいたなら、落ち込むよりも先に、まずは対策をすべきです。
最近ではスメハラという言葉もあります。ワキガの臭いで他人から嫌われてしまわないためにも、ワキガに気がついたのであれば、まずは生活習慣に目を向けて、ご自身でできる努力を行ってみましょう。
その上でワキガ治療を行えば、もう、鬼に金棒ですよ!
記事監修:岡山中央クリニック